マインドマップの作成
今回は、マインドマップを使い自分の頭の中を整理していきましょう。
書く内容はなんでも構いませんが、適当に書いていても役には立ちません。
マインドマップの作成手順を解説していきます。
「頭を使いこなす力」を身につけ
マインドマップを作成し、自分の頭の中を可視化することにより、
自分の考え・やりたいこと・願望などが見えてくるでしょう。
その中から、自分の課題や、方向性を見定めていきましょう
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マインドマップとは
イギリスの教育コンサルタントトニー・ブザンが提唱する、思考の表現方法である。頭の中で考えていることを脳内に近い形に描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくするもの。
描き方は、表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを広げ、つなげていく。思考を整理し、発想を豊かにし、記憶力を高めるために、想像 (imagination) と連想 (association) を用いて思考を展開する。この方法によって複雑な概念もコンパクトに表現でき、非常に早く理解できるとされる。人間の脳の「意味ネットワーク」と呼ばれる意味記憶の構造(アラン・M・コリンズ、M・ロス・キリアン〈M. Ross Quillian〉ら)によく適合しているので理解や記憶がしやすいといわれている[要出典]。
しばしば「図解表現技法」や「ノート術」などと紹介されることがあるが、適切ではない。開発者のトニー・ブザンは、脳科学や心理学の知見から、マインドマップを通してメンタルリテラシーの重要性を提唱している。メンタルリテラシーとは、簡単に言えば頭の使い方であり、学び方を学ぶ力や、学んだことを活用する力を指す。
本来は紙とペンで描くものであるが、コンピューター上で描くための専用ソフトもいくつかある。
本物のマインドマップと呼べるものは、カラフルでイメージ豊かにかかれており、脳の創造性を発揮したものになっています。
マインドマップの考案者であるトニー・ブザン氏はその著書の中で、「マインドマップとは言えないもの」を明示しています。しかしながら、多くのウェブサイトなどでは、これらに該当するマインドマップではないものがマインドマップとして紹介されています。
マインドマップとは言えないもの
よく見かけるマインドマップと紹介しているものは考案者の考えを理解しておらず、コンセプトの一部が似ているものをマインドマップと呼んでいますが、実はマインドマップとはまったく異なるものです。
一目見て分かるように、マインドマップは上記のようなスパイダー図、コンセプトマップと大きな違いがあります。
マインドマップは脳が自然に扱っている「イメージ」という重要な要素を取り入れています。実際にかいてみると分かりますが、色やイメージを使った時と使わない時とでは、発想がまったく変わってきます。
また、言葉や文章を○の中に書き、線でつなぐスタイルもマインドマップとは呼べません。マインドマップのかき方をマスターするとよく分かりますが、このスタイルでは、思考が広がりにくく、何が重要であるかなども分かりにくくなります。マーキングや矢印などを後から書き足すこともしにくいため、全体の関連性を統合することも難しくなります。
マインドマップのソフトウェア、アプリであると名乗っているものの中にも、実は、本来のマインドマップとは異なる形のものが多数あります。生前、トニー・ブザン氏は唯一の公認ソフトウェアとしてiMindMapを指定しました。現在は、iMindMapはAyoaというソフトの中に組み込まれていますが、本来の形が崩れてしまっている点が見られます。
ソフトウェアを使用する際にも、本来の正しいかき方、使用方法をまず身につけ、その上でソフトを適切に活用すれば、マインドマップの本質であるメンタルリテラシー(トニー・ブザン氏が考案した「頭を使いこなす力」を表す言葉)を鍛えることができるでしょう。
マインドマップのチェックリスト
(「マインドマップ最強の教科書」より抜粋)
- 明確なテーマはあるか
- 明確なテーマがセントラルイメージに記載されているか
- 中央から広がる図であるか
- 1ブランチ1語
- イメージは使われているか
- 全体的に色が使われているか
- 見やすくわかりやすいか
- 自然であるか
- 楽しんでいるか
3世紀のギリシャとローマの哲学者、テュロスのポルピュリオスは、アリストテレスの「範疇論 (Categories)」を視覚的に図式化した人物として知られています。彼の発明であるポルピュリオスの木はイラストを含まないものでしたが、後世の思想家らが後にこれを追加しました。13世紀の哲学者ラモン・リュイもまた、イラスト入りのポルピュリオスの木を含め、こうした図を使用しています。歴史に名を残した思索家や発明者の多くが、絵や落書きを含み、曲線を多用した有機的な方法でノートを残してきたことで知られています。具体的には、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、アルバート・アインシュタイン、マリー・キュリー、トーマス・エジソン、マーク・トウェインなどが挙げられます。
1950年代には、学習の過程と概念間の意味関係を理論化した意味ネットワークが登場しました。アーラン・M・コリンズと M・ロス・キリアンがこの理論を1960年代に発展させています。1970年代には、教育分野の専門家らが、放射状の構造を有するものの、マインドマップのように中心となる概念の周囲に形成されてはいない形式のコンセプトマップを作り出しています。一方でブザンは、自身のマインドマップアプローチが、ロバート・A・ハインラインや A・E・ヴァン・ヴォークトなどの SF 作家により広まったアルフレッド・コージブスキーの一般意味論に着想を得たものであると述べています。ブザンは、情報を吸収する過程は必ずしも左から右、上から下といった線形なものではないことが多く、マインドマップはそうした過程に沿うよう設計されたものだとしています。
マインドマップに関連するコンセプトには以下のようなものがあります。
- サンバースト図: 複数のレベルから構成される図で、リング図とも呼ばれます。
- レーダーチャート: ベン図やオイラー図を発展させたもので、これらの図にポイントを追加し、クモの巣のようにポイントを結合させた図です。
- ニーモニック: 学習改善のための簡略記憶記号を指し、頭字語、視覚によるキーや音など、さまざまな形態があります。
マインドマップの作成
1. 書き方
マインドマップをかく時には、用紙の選び方にも気をつけましょう。
罫線のない無地の用紙を、横長に置いて使うようにします。
「無地」の用紙を使う
マインドマップをかく時には、無地の用紙を用います。
なぜ、罫線のある用紙を使わないのかというと、罫線があると、無意識のうちに罫線に影響を受けて、思考の自由度がなくなってしまうからです。
たとえば、罫線のある用紙を使ってアイデア出しのブレインストーミングをしたところ、罫線の数分だけアイデアを出したところで思考がストップしてしまったという例がありました。これは、脳が無意識的に「仕事は完了した」と感じたために起きたことでしょう。
このように、私たちの脳は、気づかないうちに罫線の影響を受けています。自由な思考をするためには、無地の用紙を使うようにしましょう。
用紙は「横長」に置く
マインドマップをかく時には、用紙は横長に置いて使用します。
これは、マインドマップは、基本的に横書きであるからです。
マインドマップは、イギリスで生まれたもので、英語が横書きだからということもありますが、マインドマップの「線 (ブランチ)」が、言葉に対してアンダーラインのようなものであるから、とう理由もあります。
アンダーラインがあるので、基本的に言葉は横書きとなります。そのため、用紙も横長に使用するのだと覚えておいてください。
じっくり考えたい時には「大きな」用紙を使う
マインドマップをかく用紙の大きさですが、これは用途に応じてさまざまです。
携帯用の小さなメモ帳にかいても構いませんし、大きなキャンバスに絵を描くようにのびのびかきたければ大きな用紙でも構いません。
じっくりと考えごとをしたいのであれば、なるべく大きな用紙にカラフルにクリエイティブにかくと良いでしょう。
紙が小さいと、かくスペースが少ないので、脳も縮こまってしまいそうですね。
どんどん思いついたことをかいていくスペースがあるような大きな用紙を使うことで、のびのびと思考が広がり、思考整理も進み、面白いアイデアも湧いてくることでしょう。
「線」の描き方
マインドマップには、セントラルイメージから放射状にたくさんの線が伸ばされています。
この線のことを「ブランチ (枝)」と呼びます。まるで木の枝のように、ブランチ同士はつながり、
外に向かって分岐していきます。
ここでは、ブランチにはどのような意味があるのか、ブランチはどのように描けばよいのかについて解説していきましょう。
ブランチのつながりは「関連づけ」を表す
マインドマップのブランチが、どのようにつながっているかというと、「関連づけ」でつながっています。
この関連づけは、ロジックツリーのように階層と分類を正確に表したものではなく、もっとゆるやかなものです。このつながりは、脳が自然と行っている連想の連なりであると言うこともできます。
本来、脳の連想は、関連性はあるものの、論理的な階層や分類になっていないものがほとんどです。その連想を素直にブランチのつながりに表しましょう。
「メイン・ブランチ」と「サブ・ブランチ」
セントラルイメージから直接伸びている第1階層目の太いブランチのことを「メイン・ブランチ」と呼びます。
これに対して、第2階層目以降のブランチを「サブ・ブランチ」と呼びます。
メイン・ブランチは、記憶しやすい数として、6~7本までが良いとされていますが、特に数の決まりはありません。メイン・ブランチは、マインドマップの中の「まとまり」を表しています。
メイン・ブランチごとに同じ色でブランチをかいていくと、まとまりごとに色分けされ、固まって見えるのでオススメです。
サブ・ブランチは、メイン・ブランチにつなげる形で伸ばしていきます。1本のブランチの先端からいくつに分岐しても構いません。注意点としては、必ずブランチの先端から分岐させるということ。ブランチの途中から分岐させてしまうと、どこまでが1本のブランチなのか分かりづらくなってしまうので、必ずブランチの先端から分岐させましょう。
マインドマップのブランチは「曲線」で描く
自然界のものは、すべて曲線であると思いませんか?
たとえば、まっすぐに伸びているように見える水平線も、実はぐるっと360度の円状になっており曲線です。ゴツゴツした木の枝も、よく見ると曲線です。
自然界のもの、有機的なものというのは、すべて曲線でできているのですね。
曲線であることは、脳が普段触れている自然に近い状態ということでもあります。マインドマップのブランチをかくときも、脳に自然な形である有機的な曲線でかいてみましょう。
今までのノートでは、曲線を使うことは少なかったかもしれません。定規を使って無機的な直線をかいていたかもしれませんが、実は、曲線にはさまざまなメリットがあります。
さまざまな方向に伸ばせるので、スペースを有効活用できる。柔軟で自由な印象を感じさせる。美しい。絵的なので記憶に残る。
くねらせ方次第で個性が出せ、目立たせることもできる。
マインドマップのブランチをかく時には、ぜひフリーハンドで、自分らしい個性的な曲線を描いてみましょう。
「言葉」の使い方
マインドマップは、ブランチの上側に言葉かイメージを載せていきます。
長々と文章を書かないという点が、一番の特徴でしょう。
言葉で書いていくことができるため、文章作成の手間がかからずスピードが出せます。また、ブランチのつながりで意味が分かるので、文章で書かずとも思い出すことができます。
また、言葉に分割して書いておくことで、後で付け足しがしやすくなり、より柔軟性が増すので、使いやすくスピーディーに書くことができます。新たなことにも気づきやすくなり、視野も広がりやすくなります。
ブランチが「アンダーライン」に見えるように
マインドマップは、まず線を描き、その上に言葉を書く、という順序で書き進めます。
なので、先に言葉を書かないようにしましょう。
また、言葉を書くときには、ブランチの上側にバランス良く文字を配置し、ブランチの「くねり (曲線)」に沿って書きます。言葉に対して、ブランチがアンダーラインに見えるように書くと良いでしょう。こうすることで、言葉とブランチが一体化して見え、後で見た時にまとまって見えます。
頭に浮かぶことの「10%の言葉」を選ぶ
マインドマップをかくときには、すべての言葉を書こうとせず、記憶を引き出すためにポイントとなるようなキーワードを、思い浮かんでくること全体の内の10%程度に留めて書いておきましょう。
マインドマップをかくスピードを上げるということも、実はとても大切なことです。なぜなら、マインドマップをかくことが目的ではなく、マインドマップを使って頭を上手に使えるようになることが目的だからです。
頭を上手に使いこなす上で、やはりスピードは大切ですよね。省略できるところは、省略しましょう。あなた自身が、後で見て分かればいいのです。
一方で、分からなくなるほど、言葉の量が減ってしまっても良くないですね。ときには、正確に記載するために、文章で書いておきたいこともあるはずです。そうしたら、マインドマップの端の方にでも書いておいたら良いのではないでしょうか。
マインドマップを使いこなし、けれどマインドマップにとらわれない。そんな風に活用することが、何よりのことだと思います。
OIはより大きく、外に行くほどより小さくかく
第1階層目の上の言葉のことを、「BOI (Basic Ordering Idea)」と呼びます。
BOIは、まとまりを表していますので、少し大きめに書きましょう。そうすることで、大事なところが目立ち、分りやすいマインドマップになります。
5-4. 「1つのブランチ」には「1つの言葉」をのせる
マインドマップのブランチの上側には、長々とした文章は書きません。
たとえば、「13時からの営業会議の準備」のようなものも分解してください。「13時」「営業会議」「準備」と言葉を分け、それぞれを一連のつながったブランチの上に書くようにします。
なぜかというと、このように言葉を分けて書いておけば、後から付け足すことも可能だからです。すると、思考がせばまらず、様々な視点を取り入れて考えることができるようになります。また、マインドマップをかくスピードも上がるはずです。
最初は、言葉を切って書くことに慣れないかもしれないですが、ちょっと練習すると、すぐにできるようになりますよ。
「イメージ」を大切にする
マインドマップを作成する時には、イメージを豊かに使いましょう。
まず、真ん中に「セントラルイメージ」を描き、また、マインドマップの全体にもイメージをたくさん使うようにします。
メージを使うことは、あなたの頭を上手に使うことにつながりますよ。
セントラルイメージは「カラフル」に「楽しく」
マインドマップは、真ん中から外に向かってかいいくので、一番最初にかくものは「セントラルイメージ」です。
セントラルイメージは、たとえば、A4サイズの用紙であれば、こぶし大以上の大きさに描きましょう。セントラルイメージが小さすぎると、そこからブランチを伸ばしにくくなりますし、印象の薄い存在感のないマインドマップになってしまいます。
カラフルにたくさんの色を使って、楽しいセントラルイメージを作りましょう。
色は脳に刺激を与えるので、カラーペンや色鉛筆を使ってカラフルなセントラルイメージを描いていると、頭の中のイメージも豊かに広がってくることでしょう。
全体にたくさん「イメージ」を使う
セントラルイメージ以外にも、マインドマップ全体にイメージを入れるようにしてみてください。
私たちの脳は、言葉よりもイメージに素早く反応します。1つのイメージは、10の言葉以上にたくさんの情報を持っており、一目見ただけでパッと分かる上に、記憶にも残ります。
ですので、なるべく視覚的な表現力を磨き、マインドマップの各所にイメージを入れるようにしましょう。
プレゼンテーションの際の手元資料や講義録などに、イメージ豊かなマインドマップを活用しましょう。カ
ラフルでイメージ豊かなマインドマップは、今までのノートをはるかに上回るスピードで私たちの脳に働きかけるので、仕事のスピードも上がりますよ!
マインドマップそのものが「一枚の絵」のように
マインドマップは、そのものが絵のように見えるノートです。これはとても大切なことで、絵のように見えるからこそ、記憶に残るのです。
試験勉強のために学んだことを、マインドマップでカラフルにイメージを使いながらまとめてみてください。
きっと、そのノートはあなたの記憶に残り、あなたは絵の各所を思い出すようにして、勉強した内容を思い出せることでしょう。
構造」を考える
マインドマップは、脳が自然に行っている連想をそのまま表現するノート法ですが、論理性や構造を排除しているものではありません。
たとえば、第1階層目の上側の言葉であるBOIは、まとまりを表しています。まず、BOIを考えて、そこからかき始めるということは、マインドマップに構造を持たせていることになります。
ロジックツリーのように、次元と分類をきれいに整理したマインドマップを作成しても構いません。こうしたマインドマップは非常に構造的で、論理的なものになるでしょう。
一方で、あまりに構造を作ることにこだわりすぎると、自然な連想が止まってしまいます。
ですので、マインドマップを作成するときは、構造化を意識しつつも、構造化だけに捉われないようにすると良いのです。
矢印とクラウドマークを加える
マインドマップをある程度かいたら、最後に俯瞰してみましょう。
俯瞰することで、新しいつながりを発見したり、全体の関係性を見出したり、大事なポイントをみつけることができます。それは、マインドマップにかき出したことをもう一度見直し、頭の中で構造化することとも言えるでしょう。
そして、まず、「矢印」と「クラウドマーク (雲状の印)」を加えたいところがないか探しましょう。
矢印は関連性のあるところに、クラウドマークは大事なところにつけます。
マークやナンバーなどを入れる
矢印やクラウドマークのほかに、自分なりに作った「マーク」や「ナンバー」を配置すると、より整理がされてきます。
マークは、「★」「※」「○」「▲」などでも良いですし、何らかの印を自由に使ってみましょう。
たとえば、このマインドマップは、1日のスケジュールをかいたものですが、各々の仕事にかかる時間数が水色で書き加えられています。また、いつ行うかという時間も書き込まれています。
まとめ
この記事ではマインドマップの定義や由来、作成方法など詳しく解説しました。マインドマップは自由に描くことができ、厳しいルールや規則などはありません。マインドマップが生活、学習、仕事、ビジネスなどの場面で幅広く活用できる効果的なツールといえることはあきらかでしょう。
マインドマップはあくまで自分の能力を高めるためにありますので、ルールにこだわらず、まずは使ってみて、自分の都合に合っている使い方を見つけてください。
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