コールセンターの立ち上げ【経験者は語る】8ー環境設計ー
コールセンターの設立にあたり設計が必要な項目を解説していく。
コールセンターの立地
基本は、本社・本店など中枢に近いところに置かれる場合が多い。しかし、コールセンターの規模によっては、立地を考えていかなければならない。規模が大きくなると、それだけ人員も多く確保しなければならない。
地域などにもよるが、「駅が近いなどの交通の便がいい」「車通勤が可能な駐車場が確保されている」など、人員の確保に有利な立地にコールセンターの設置を行うことが必要である。
組織体制作り
コールセンターでは、オペレーターがいれば良いというわけではない。サービス内容や職種また企業によって呼び方も変わりますが、役割別に担当が必要です。
オペレーター
電話対応を行うスタッフ。
リーダー
オペレーター数人のチームリーダー
ヘルプを行う
スーパーバイザー(SV)
リーダー数人をまとめるチーム長
日々の業務を円滑に進める指示・指導を行う
マネージャー
スーパーバイザーをまとめ、センターの品質と生産性を保持・向上させる
センター内の全ての数字を把握し、改善に向けたPDCAを図る
インストラクター
SV・リーダー・オペレーターの研修を行う
カスタマー(CS)
顧客からのクレーム対応や処理を行い、問題点を周知し、改善を図る。
システム担当
システムの問題改善・システムトラブルの対処を行う。
ゼネラルマネージャー(センター長)
全ての権限と責任を持ち、品質向上・生産性向上を図る。総責任者。
センター内の配置
センター内の席や機材の配置をどのように行うか。
基本的には、オペレーターが効率的かつ快適にオペレーションを行える環境に整えることが良いと考えます。
例外的には、都度指示や返答が必要な場合は、各オペレーターの声が聞こえる環境づくりが必要です。
ブース型
オペレーター個々をブースで仕切り、周辺の視線や声が入りにくく、集中できる環境。
カスタマーなど、資料などで全て返答が可能なセンター等に有効です。
フラット型
ブースなどで区切らず、デスクなどで並んでオペレーションを行う。
オペレーターへの都度指示や返答ができる席配置のため、周囲の視線や声は届きやすくなる。
臨機応変な対応が望まれる受付などに好まれる。
人材の確保
センター運営で必ずと言っていいほど苦労を強いられるのが、人材の確保となる。
システムの構築とマニュアル化を行い、対応の均一化を図りながら、品質を向上させていく為に
採用・教育の体制構築が必要となってくる。
人員計画
コールセンターの業務量により、人員配置を計画する必要がある。
インバウンド
- 時間・日・週・月による入電数予測。
- 広告戦略による入電数増加の予測。
- 天気・天候による入電数増減の予測。
上記の予測により、入電数の増減を予測し、必要な人員配置をおこなっていく。
アウトバウンド
アウトバウンドの場合、リストから業務量の計算が可能となるため、計画は難しくない。
手が余らず、かつ最適な業務量になるよう、人員の配置を行う。
緊急時には、部署間で人員不足分のフォローを行えるよう、日頃から備えていくことができれば最適ですね。カスタマーと受付業務など、職種は違っても同じ電話対応です。一次対応のみ行えれば、繁忙期でも放棄率を下げることなく、顧客満足度も保持できます。
採用計画
立ち上げの場合、多くの人材を採用する必要があります。
採用人数を算出し、計画的に採用を進めていく必要がある。
オペレーターの採用
のちに来る、教育部門と連携し、採用計画のスケジュールを作成し進めていく
スーパーバイザーの採用
外部から経験者の招き入れ、またはリーダーからの昇格など考え方は多くあります。
立ち上げから、必要な数のスーパーバイザーを置くことは難しいかもしれません。
採用時にある程度の見極めを行い、教育を進めていきましょう
面接・採用
面接は教育担当などを含めて進めていきましょう。
研修時に顔を見たことのある人がいることは、リラックスできる環境となるでしょう。
教育・指導
教育をマニュアル化し、指導にて品質向上のシステム化を行う必要があります。
トレーニング
オペレーターには、「コミュニケーション」「業務知識」「業務能力」が必要です。
コミュニケーション
大袈裟かもしれませんが、オペレーターは、直接顔を見ることなく、言葉だけでお客様の心を掴む必要があります。
そのために、リスティングスキル(聞く力)が重要となります。お客さまが何に困っておられ、何を求めているのかを、質問を通して把握し、問題解決の提案を行なっていくスキルを向上させていきます。
業務知識
業務の知識を身に付けることにより、スムーズな対応が可能となります。
FAQやQ&Aをシステム化し、個人の能力に頼らないシステム作りをしましょう。
業務能力
システムを扱う能力。
PC入力の速度や、システム入力の速度を上げていく。会話を行いながら入力するスキルを身につけていく。
指導
研修が終了しても、オペレーターの指導が必要となります。
モニタ
対話品質を高める指導を行う上で必要なのが「モニタリング」である。オペレーターの対話内容をモニタリングし、どのような手順で、どのような項目をチェックしていくかを決定していく。これは、モニタリングする担当者により、ずれが発生しないようにするために必須である。いわば、経験や気分に左右されることなく、客観的な評価を行う。
コーチング
モニタリングで判明した改善点を、指導により改善を行う。
改善点の指導方法を設定しておき、可能な限り毎日繰り返し、指導・改善のトレーニングを行う。
生産性の向上
技術の部分に関しては、日々の指導とトレーニングにおいて向上を図る。
モチベーション向上については、
- 努力し達成できる目標を設定する
- 休憩など含め、快適な労働環境を提供する
- 成績などを公表し、全体に周知する
- 客観的で正当な評価を行うこと。
その他、歩合の付与などモチベーションアップの方法もありますね。
成功したモチベーションアップ方法があれば、教えてください。
面談
オペレーターとの面談は、できれば月に一回程度行うことが望ましいでしょう。
その中で話を聞きオペレーター・SV・カスタマー・トレーナーそれぞれが何に悩み、何に躓いているのかを把握し、元気付け、指導を行い改善を図っていくことが、それぞれの生産性を高めるとともに、品質の向上につながり、定着率の向上にもつながります。
まとめ
人材の確保・教育・指導については、王道はあれどもこれで間違いないというものは存在しません。
その現場にて、最適な方法を見つけ出し、体系化・マニュアル化しながら、改善を回していく必要があるでしょう。
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